会長ご挨拶

「プレゼンテーション教育学会」が目指していること

  教育界にあっては、主として明治時代以降、学校教育の興隆とともに、それに反比例するように地域社会の教育力は弱体化してきています。今こそ、学校教育と地域社会教育(家庭・産業・地域の教育)は連携・協働・融合してゆかねばなりません。学校と社会が一体となって、グローバル社会の21世紀をたくましく生きる人材を育成していかねばなりません。
  そのような状況下にあって、自ら感じ・考え、お互いの意思の疎通・交流・向上を目指しながら、私や私たちの思いや意見を伝え合い、ローカルからグローバルに発信・活動する「ローバル人材」として、共に地域や世界の課題を解決していくことをめざす「プレゼンテーション教育」の充実発展が不可欠です。
  学校教育においては、確かな学力と生きる力(人間力)の育成が基本課題となっており、両者の相補的発展が目指されねばなりません。その中でも学力の三要素である、理解力・判断力・表現力を重視した教育活動が推進されています。その学力三要素のコアとなるのが「プレゼンテーション力」です。今後のすべての教育活動において、プレゼンテーション力の育成が大きな目標となります。
  プレゼンテーションは、基本的には、大自然の一員としての「自分」という、自然からのプレゼントのお裾分けをすることです。私たちに本来備わっている可能性というプレゼントを他の人や地域にお裾分けをして協働し、望ましい人間関係と地域創生を目指すことです。そのような基本理念に基づいて、プレゼンテーションに関する教育と研究活動を進め、新たな「哲理学」に基づく「プレゼンテーション教育学」の体系化を目標とします。
  このような考え方に基づいて、「プレゼンテーション教育学会」を、広く産学官民の有志による高い理念と広いネットワークづくりを基盤に、2015年4月に岡山で設立しました。学校内及び学校外教育において、聞き手に気づきを促し、具体的行動に繋げる表現手法に基づく相互交流活動である、プレゼンテーションの教育に関する調査研究・協議を行い、日本におけるプレゼンテーション教育の向上発展と人材育成に寄与することを目的とします。
  高校生以上であれば、プレゼンテーションに関心のあるすべての人が会員となって活動していただける会です。本学会の設立の趣旨をご理解頂き、皆様の積極的な入会と活動参加をよろしくお願いいたします。

 2015年6月                               

プレゼンテーション教育学会   
名誉会長  松 畑 熙 一  
(前中国学園大学・中国短期大学学長)